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PCキッティング|外注費を安くする全手法

PCの入れ替えや新規購入のタイミングで、PCキッティングを外部委託している企業はたくさんいます。

が、キッティング費用は意外に高く、予算取りの際に頭を悩ませているケースが多いです。

かといって、安さだけが売りの業者に依頼すると作業品質が悪く、指示通りの設定になっておらず、後で自社の社員からクレームが寄せられる可能性もあります。

そこで今回は、現役のIT営業マンが、PCキッティングの委託費用を安く抑えるための全方法について、惜しみ無く解説していきます。

参考になれば幸いです。

1.キッティング費用を下げるテクニック

費用を安く抑えるための常套手段として、費用の項目を可能な限り分解し、分解された項目から必要なものだけを仕分けていく方法があります。

今回はその方法論に則り、解説していきます。

2.キッティング費用の大分類

キッティング費用は、大きく次の3つに分類することができます。

①人件費
②保管費
③配送費

キッティング費用において、ほとんどのウェイトを占めるのは①の人件費です。②保管費と③配送費は、各キッティング業者に大きな差異はないので、今回の記事では取り立てて解説しません。

では、次の章では、人件費の内訳をさらに分解し解説していきます。

注釈:キッティングのやり方によっては、上記他にもコピー用のソフトウェアのライセンス費用などがかかりますが、便宜上、割愛します。

3.①人件費の内訳とは

キッティング作業において、最低限必要な項目に分解すると、次の3つとなります。

1)マスター機の定義
2)キッティング手順書の作成
3)キッティング作業

3-1.マスター機の定義

ここで言う「マスター機」とは、「完成品(キッティングが完了した状態のPC)」のことを指しております。

まずは「完成品の計画を定義し、実際にその完成品を作り上げて検証(レビュー)すること」から始めるのが一般的なやり方です。

3-1-1.マスター機の定義が最重要

キッティング作業において最も重要なのが、この段階です。

この段階で間違った設定をしていたり、不具合があったりすると、キッティング作業実施後になって全てのPCの設定変更をしなければならなくなります。

無駄なコストが掛からないよう、この段階は専門家の手を借りながら、慎重に進めることを推奨します。

3-1-2.マスター機の定義の流れと費用

マスター機の定義は、次の段取りで実施します。

①マスター機の設計
②マスター機の作成
③マスター機のレビュー

外部委託する場合は上記の段取りに則り、必要な日数を見積もっておきましょう。日数×SEの人件費が、「マスター機の定義」にかかる費用になります。

3-2.キッティング手順書の作成

キッティング作業を実施する前には、マスター機が完成するまでの作業手順を明確にしておく必要があります。

なぜかと言うと、理由が2つあります。

1.人件費を安くするため
2.キッティング作業の品質を担保するため

マスター機の定義をするエンジニアが、その延長としてキッティング作業を実施するケースもありますが、ほとんどのキッティング業者ではそのような人件費が高くなるようなことはしません。

マスター機の定義をする人は、いわゆる高度な技術を持ったエンジニアです。エンジニアに作業を依頼すると、どこの会社でもそうですが、非常に高額な費用がかかります。ちなみに、高いところでは、エンジニアを1日間拘束するだけで、費用が10万円以上かかります。

ぶっちゃけて言うと、キッティング作業は、作業手順さえ明確にしておけば誰だって出来ます。繰り返しの単純作業なので、極端な話、大学生のアルバイトでさえできます。

なので、人件費の高いエンジニアに作業をさせるのではなく、人件費の安いアルバイトに作業をさせるためにも、作業手順書を作っておくことが重要なのです。

また、作業品質を高めるためにも手順書は必須です。手順書にチェックリストを設け、上から作業を実施した順にチェックマークをつけていきます。そのようなルールを作ることにより、高い作業品質を担保するのです。

ちなみに手順書の作成についても、外部委託する場合は、作成に必要な日数×SEの人件費が、「キッティング手順書の作成」にかかる費用になります。

3-3.キッティング作業

そして最後がキッティング作業です。

1人日で何台くらい完成品が生産できるのか。その生産性よって人件費が計算できます。

例えば、1人日で10台の完成品が生産できるとします。1人日の人件費を管理費込みで3万円と考えると、30,000÷10台=3,000円が1台あたりのキッティング費用となります。

「マスター機の定義」「手順書作成」の段階で、生産性を上げるための仕込みをしておくと、キッティング作業費を大幅にカットすることができます。

その辺りの技術力については、やはり実績の多い大手会社のSEが持っておりますので、大手には何社か声をかけておくとよいでしょう。

3-3-1.生産性を高める為の代表的なテクニック

キッティング作業の生産性を高める為の代表的なテクニックは、次の2つです。

・マスターイメージの作成
・マスターイメージの配信(展開)

業界の人なら誰もが知っている技術なので、知っている方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。

3-3-2.マスターイメージの作成とは

マスターイメージとは、「マスター機を作成した後、そのPCの設定情報を丸ごと吸い上げてデータ化したもの」を指します。

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マスターイメージの作成には、Symantec社の「Ghost(ゴースト)」と呼ばれる製品が使用されます。

■外部リンク:

www.symantec.com

3-3-3.マスターイメージの配信(展開)とは

マスターイメージは、他のPCへコピーするために作成されます。必要な設定情報を丸ごとコピーできる為、1台ずつ個別に設定していく手間を省略することができます。

マスターイメージをコピーすることを『配信』もしくは『展開』と言います。

マスターイメージの入ったサーバーと、マスターイメージを配信したい大量の端末をネットワーク接続することで、一斉配信(展開)が可能になります。

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このような技術を使って、作業時間を短縮し、ひいては人件費を抑える努力をしております。

3-4.その他の人件費

念のため補足しておくと、上記の他にも費用はあります。

それはキッティング作業に伴う「付帯的な作業」の費用です。

例えば細かいことを言うと、「PCの中に同梱されている不要なマニュアルの廃棄」や「PCへのシール貼り)など、多岐に渡ります。

限界まで費用を減らすためには、付帯的な作業まで細かく打合せし、不要な作業は排除する努力が必要です。

3-5.キッティング作業費を抑える最大のポイント

従業員の要求に応えるために、各従業員の希望ごとに、各PCメーカーの各スペック(性能)の違うPCを調達する企業があります。

確かに、従業員満足度を高める施策としては素晴らしいですが、「費用対効果」の観点で言うと、私は無駄が多いなあと思います。

PCの機種が違うと「マスター機の定義」や「手順書作成」の費用がかけ算式に増えていきます。また、調達の観点から見ても、PCは同じ機種を一括調達した方が安く上がります(※値引き交渉もしやすくなります)。

なので、費用を重視する場合は、同一機種の一括調達をオススメします。

ただし、特定の業務において高いスペックのPCが必要なチームや個人に対しては、それぞれ必要なPCを調達する必要はあると考えます。

4.まとめ

さて、ここまでキッティング費用について丸裸にしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

事前知識としてここまで知っておけば、外部委託は怖くないと思います。

ちなみに、この記事を書いた「〇太郎」に見積依頼して、直接対決してみたい方は、下記宛にお問い合わせください。

お問い合わせ - 給料男○太郎(営業マン編)

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